西武沿線の不思議と謎 高嶋修一 実業之日本社 2016 はじめ文庫の本棚から

マイクロライブラリー はじめ文庫

マイクロライブラリー はじめ文庫の本棚から 第22冊目

西武沿線の不思議と謎 高嶋修一 実業之日本社 2016

 

今日は雨降りどんよりして強い風。雨が上がって爽やかに晴れたら、桜も見頃、西武沿線やあちこちの公園、通り沿い、川べりの桜景色をのんびり眺めに行きたいですね。

わたしは練馬区在住で文京区まで仕事に通っているので、電車は西武池袋線を利用しています。どこへ行くにも池袋へ出て、池袋に帰ってきます。いつからか気がついたことですが、池袋に帰ってくるとホッとするのです。家の庭に着いたような安心感です。下車する駅まで、池袋から11個の駅を過ぎますから、相当広い庭ということになりますが、以前中央線や小田急線の町で暮らしていた頃にはなかった感覚です。それが、なぜ池袋ではからだの中に現れるのか、地域の空気とか住んでいる人たちの間で流れる特別なものがあるのでしょうか。どの駅も何らかの用事なりで下車して、歩いていたら誰か知り合いに出会えそうな、馴染みや親しみがあります。

池袋で安心してしまって失敗することもあります。電車に乗ると本を読むか寝るかのどっちかですが、下りる駅を過ぎてることがよくあるのです。一つ前の駅で下りるのは次だと確認したのに、ホームに降りると一つ先の駅になっていて不思議です。一つ先どころか二つ先となると、一度階段を上がって上りホームへ移動するという面倒なことになります。ある時はもっともっと先の駅のホームで、そこの駅名を見たときはびっくり仰天、こんなとこまでなぜ気がつかなかったのだろうと、自分を疑いました。もっと失敗は、まばたきする感じで目を閉じて、開けたら、何と所沢を過ぎた西所沢という知らない駅でした。所沢を知っていたのでその西だなと、ちょっと探偵みたいに推理しましたが、上り電車はすでに終わっていました。足早に駅の外へ消えていく降り客の姿を、眠りの足りたスッキリした頭で見送りながら、闇夜を見上げて、不思議なこともあるもんだと思ったことでした。

この本はそういう不思議を書いたものではなく、れっきとした西武沿線の歴史と資料をもとに、なぜ?という駅や鉄道の不思議と謎に答えています。ココがどういうトコだったのか、どんなコトがあって今に至っているのか、なるほど~、へ~そうだったんだ~とわかることは、そこをもっと好きになることと書かれた本です。

※こちらの文章は3月21日に書かれたものを記事化しています。

田崎 敬子



はじめ文庫(マイクロライブラリー)は、毎月第3土曜日曜12:00-18:00 オープンしています。

読書でもおしゃべりでもご自由にお使いください。

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