第4回 よむ@はじめ文庫開催のお知らせです。
第4回2月20日15時~16時半。 今回は『銀の匙』 中勘助 作を読んでみようと思います。
『銀の匙』が書かれたのは1912年(明治44年)、中勘助が27歳の時です。夏目漱石の推薦により、翌年1913年(大正2年)4月から、東京朝日新聞に連載されました。漱石はこの作品を、「中勘助と申す無名の文士の作ったもので、生い立ちの記のようなものであり、珍しさと品格のそなわった文章、それから純粋な書きぶりである」と、東京朝日に紹介しました。
1986年に、創刊60年の岩波文庫が「心の残る三冊」というアンケートを募集しました。その時、1位に上がったのがこの『銀の匙」です。このとき初めてこの作品を知ったという人が多かったのではないでしょうか。広く知れわたっている本ではありませんでしたが、そのすぐれた価値は深く忘れられない本として、多くの読者を広げていました。
話は中勘助の幼少の頃の思い出から始まります。茶箪笥の小引き出しを、無理やりに引き出して畳の上へぶちまけたとき、この銀の小匙を見つけたのです。生まれるとまもなく、頭から顔から吹きでものでいっぱいだった自分の小さな口に、漢方の薬をすくい入れたという匙でした。
虚弱でひ弱で神経過敏で泣き虫の勘助を育てたのは、当時家に同居していた伯母さんでした。勘助は神田生まれです。彼女は勘助を無上にかわいがり、大事に世話をします。いつも背中に背負ってあちこち連れ歩き、一緒に遊び、話をします。当時のくらしの様子、町の風景、縁日や祭、子供らの遊び、そして人と人の関わりなど、読みながら安息を覚える作品です。
本をお持ちでなくても、こちらで用意あります。また読みたい本があればお持ちください。一緒に読みましょう。
はじめ文庫の来室は予約制となっております。
「よむ@はじめ文庫」どうぞお気軽にお出かけください。
2月20日(日曜日)15時~16時半