マイクロライブラリー はじめ文庫の本棚から 第25冊目
『花おりおり』愛蔵版 その一 ~ その三
文・湯浅浩史 写真・矢野勇
その二、その三の写真は、湯浅浩史、平野隆久、茂木透 朝日新聞社 2002~2004
春は花がいっぱい。外へ出て花を見ない道はありません。毎朝、家から駅まで歩く1キロの道に、数え切れないほどの色々な花を見ます。外国の童話で見るような家の庭には、洋風の木と花が、土や家を包み込むようにちょっと妖しく植わっています。駅が見える道に来たところの角の家は、これ以上の美しさはないと思えるほど、朝の明るい光に照り映える花を並べています。農家は畑を花壇にして道ゆく人の目を楽しませています。そうやって人が大切に育てているばかりでなく、飛ばされてきた種から伸びてきた雑草の花たちも力強く咲いています。朝の光は花も生き生きするのでしょうか、午後の帰り道とは花も違って見える気がします。残念なのはそれら花の名前をほぼ知らないこと、帰ったら調べようと思っても忘れてしまいます。
2001年5月1日から、朝日新聞朝刊の1面に、コラム「花おりおり」は始まりました。季節おりおりの花が毎朝、写真と文で連載され、3冊目その三が出たとき、新聞連載は4年目に入っていたようです。花の名前を知りたいと誰も思っているんですね。
この本には身近に見る草や木の花が、連載の順に月ごとに載っています。3冊ありますから、ひと月あたりおよそ80種ほどの花が載っています。花はひと月だけ咲くわけではないので、前後の月を合わせても、今ごろ咲いてる花として約240種の花が載っているのです。こんな強い味方はありません。すぐにでも花博士になれそうですが、そううまくはいきません、忘れますから。少しづつでも花の名前を覚えたいものです。
田崎 敬子
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