マイクロライブラリー はじめ文庫の本棚から 第29冊目
明治がらくた博覧会 林丈二著 晶文社 2000
長~いコロナ生活、おとなしく閉じこもっていて元気が出ないのは、運動不足ですかね、筋力体力心力頭力弱ってきてませんか? 梅雨とコロナ、早く明けてほしいです。
今回は、明治のガラクタを集めた本の紹介です。明治も遠くなりました。明治のはじまりは150年ほど前、終わってからも110年経ちます。その頃の日本人はどんな生活をしていたか、身の回りの生活雑貨を通してのぞいてみようというわけです。
今でもあるものもあり消えてしまったものもありますが、懐かしかったりかっこよかったりかわいかったり、それほど遠い昔のものではありません。かえって元気になったりするのは、日本人の生活の中に芸術文化があるからでしょうか。小さなものひとつにしても細やかに手がけていて、人間力が生きている気がします。日本のいいところを見つけて心がなごみ、元気になれるかもしれません。
たとえば躰重秤つまり体重計が出てきます。今は健康診断などで最新のものは台の上に立つだけで、頭の上から何やら落ちてきて跳ね上がり、それでもう身長と体重と太り具合が同時に計測されます。あっという間です。
明治の体重計は座って測ったみたいで、台座に木製の椅子が据え付けられています。それだけで空気が違いますね。椅子の板面には彫刻が施され、そして体重を測るのは目盛りを刻んだ竿と分銅です。人と分銅がてんびんになるのです。かっこよくてうなってしまいます。
亀の子タワシなど、今でも店で売っていて愛されてますよね。タワシという名前はどこからついたと思いますか?「to wash」ではないようですよ。元々ワラなど植物を束ねて丸めて、たわ(撓)めて作ったからのようですが、こういうのを見ると明治が今も歩いていると思って安心します。本来人はアナログ思考して、感性を豊かにしているんですね。
田崎 敬子
※こちらの投稿は6月23日の投稿を記事化したものです。
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